研究内容

超大規模な組合せ最適化問題に対するアルゴリズムの開発

組合せ最適化問題は、単にアルゴリズム理論の分野だけではなく、機械設計、人工知能、システム制御など様々な分野に存在する非常に重要な問題です。企業においても、製品開発やシステム開発で、組合せ最適問題を解かなければならない事例が多数存在します。巡回セールスマン問題や2次割当問題などの基本的に組合せ最適化問題には、ベンチマーク問題が存在し、これらの問題を用いてアルゴリズムの性能評価が行われてきました。一方、近年の情報技術の急速な発展や、ビッグデータに代表される解析データサイズの巨大化などに伴い、組合せ最適化問題における応用上重要な問題はますます超大規模化・複雑化してきています。したがってベンチマーク問題にはない超大規模な問題に対するアルゴリズムの開発が必要となっています。しかし、超大規模な問題は組合せ爆発により、従来手法が一切通用しないためこれまで扱われてきませんでした。本研究室では、これまでに誰も挑戦してこなかった超大規模な組合せ最適化問題に対するアルゴリズムについての研究を行っています。

研究テーマ

大規模な組合せ最適化問題に対するアルゴリズムの開発

本テーマでは、超大規模ではなく従来のベンチマーク問題にあるサイズで、大規模な問題を対象にアルゴリズムの開発を行います。従来多くの手法が提案されていますが、これら従来よりも探索効率の良いアルゴリズムの開発を目指しています。主に、大規模な最適化問題を効率的に探索することができるメタ戦略や遺伝的アルゴリズムなどの進化計算と呼ばれる手法を用います。

研究テーマ

パズル組み立てアルゴリズムの開発

パズル組み立て問題も、画像処理を伴う組合せ最適化問題の1つであると考えることができます。本テーマではパズルのピースは矩形であるとします。これにより、表面の色情報のみを用いてパズルを組み立てる必要があり、問題は非常に難しくなりますが、より応用範囲の広い問題として定義することができます。本研究では、人間がパズルを組み立てるように、確実に接合できるピースから組み立てていくことにより、より精度の高いパズル組み立てアルゴリズムについて研究しています。


アカハライモリのゲノム・遺伝子解析(筑波大などとの共同研究)

イモリは幼生の時期だけではなく、変態後のおとなになってからも、手足や尾、アゴ、目、心臓、脳までも傷跡を残さずに治すことができる「再生のチャンピオン」と呼ばれています。胎児や幼生の時に再生することができる動物は多くいますが、おとになってからもこれほどまでの再生能力を持った動物はイモリしかいません。本研究グループで対象としているアカハライモリ(赤腹井守)は日本固有種です。日本のイモリ研究は、歴史と蓄積があり、数多くの著名な研究者を輩出してきました。本研究室は、筑波大学の千葉親文教授を中心としたイモリ研究グループの一員で、主に、ゲノムや遺伝子の情報学的な解析を行っています。イモリ研究グループは、「イモリの再生現象の全体像を解明して、人の医療に応用する」という壮大な目標を持ってい研究しています。本研究室は、ゲノムや遺伝子の解析を行っているため、直接イモリに触れることはなく、遺伝子やゲノムのデータ(ATGCの文字列)のみを扱っています。裏方的な担当ですが、これらの情報解析なくして、研究を進めることはできません。本研究室では、本研究室で作成したアカハライモリのデータベース IMOrI を公開しています。